統合失調症の人を見ていると、不思議に思うことがあります。
それは「自分が病気であることに、あまり興味がない」という姿勢です。
もちろん、病気の影響で生活が揺さぶられることはあるし、治療が必要になることもある。
だけど「自分は統合失調症なんだ」という意識を必要以上に抱えていない人が多いように感じます。
それは、疾患の特徴によるところもあると思いますが、他の病気と比べると、ちょっと独特です。
例えば、うつ病や発達障害の人の中には、「自分は病気だから」「自分は発達障害だから」といったかたちで病気を語り、それを自己紹介や活動の一部にしている人も少なくありません。
病気を通して自分を理解しようとする、と言えばいいでしょうか。
でも、統合失調症の人はそういう方向に進みにくい印象があります。
自分が病気であることを売りにすることもほとんどありません。
自分を病気の人と捉えるのではなく自分は自分だと病気とは区別して考えているのでしょう。
たとえそれが、病気の特徴によるものだとしても、私には良いものだと思えるのです。
病気を抱えているかどうかは人生の一部ではあっても、その人のすべてではない。
統合失調症の人たちが自然に見せる「病気に対してあまり興味を示さない感じ」は、むしろ健全さの一つの形のようにも感じられます。
統合失調症の人の多くは、ネットでもリアルでも、そこには独特の「ぽさ」が漂っています。
病気を抱えているはずなのに、病気にとらわれていない。
精神疾患という大きなくくりの中で見ても、ほかの病気との意識の違いははっきりしています。
病気の差でもあり、人間の差でもある。
統合失調症の人たちの「自分が病気であることに興味がない」という姿勢は、昨今の病気アイデンティティの人にも見習ってもらいたい気持ちになります。

