「自分は病気である」と意識しすぎると…?

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病気アイデンティティ

実際に診断があるかどうかに関わらず、病気であることを強く意識しすぎることで、自分自身の状態をさらに悪化させたり、無意識のうちに治す気持ちを失ったりすることがあります。これは神経症的な人の大きな特徴のひとつでもあります。

本記事では、無意識の疾病利得や、病気に囚われすぎることで治す気持ちがなくなる心理について掘り下げていきます。

1. 神経症的な人は「病気であること」に囚われる

神経症的な人は、健康や病気に対して非常に敏感で、次のような思考をしやすいです。

「私は普通の人と違う、病気のせいで生きづらい」

「治るはずがない、これが私の運命だ」

「病気だから仕方がない、何をしても無駄だ」

このように、「病気であること」を強く意識し、それが自分のアイデンティティの一部になってしまうことがあります。

2. 無意識の「疾病利得」が治す気持ちを奪う

「疾病利得(secondary gain)」とは、病気であることによって得られる利益を指します。

神経症的な人は、意識的にではなく、無意識のうちに病気の状態を維持しようとしてしまうことがあります。

(1) 社会的な疾病利得

「病気だから、仕事をしなくていい」

「家族が優しくしてくれる」

「病気の自分を周囲が気遣ってくれる」

病気であることで、社会的な責任や義務から解放されたり、周囲から特別な扱いを受けたりすることで、無意識に「このままでいい」と感じてしまうことがあります。

(2) 心理的な疾病利得

「病気である自分は特別だ」

「私は普通の人と違うから、何をしてもいい」

「こんなに苦しんでいるんだから、周囲は私を理解すべきだ」

病気が「自分の価値」になってしまうケースもあります。特に、「私はこんなに苦しんでいるのに、誰も分かってくれない」という感情が強くなると、病気であることで他者との差別化を図るようになり、結果として**「治ったら自分が普通の人になってしまう」という不安が生まれる**ことがあります。

3. 治す気持ちがなくなる心理とは?

(1) 治ることが怖い

神経症的な人の中には、「治りたい」と口では言いながら、実は治ることを無意識に恐れている人もいます。

「もし治ったら、今まで病気を理由にできたことが全部できなくなる」

「治ってしまったら、自分には何も残らないのでは?」

「今さら健康な人として社会に戻るのは怖い」

長年病気に囚われていると、それが自分の「居場所」になってしまい、失うのが怖くなるのです。

(2) 治療に消極的になり、治らない方が安心できる

「治る」という可能性を否定することで、病気であり続ける自分を正当化することがあります。また、治らないと言われた方が安心するということも起こります。

治療を試してみても、「効果がなかった部分」ばかりに目を向けることで、「やっぱり自分は治らない」と思い込むこともあります。そして無意識的にそこに安心を感じてしまう事もあります。

4. このような特徴のある人に知ってほしいこと

(1) 「病気の自分」ではなく、「本来の自分」に目を向ける

「病気であること」がアイデンティティになってしまうと、病気が治ることに対して無意識に抵抗を感じてしまうことがあります。

でも、本当に「病気の自分」が自分のすべてでしょうか?

「病気ではないとしたら、どんな自分になりたいか?」

「病気が治ったら、何をしたいか?」

「病気がなくても、自分には価値があるとしたら?」

このような視点で考えてみると、「病気の自分」に執着する必要はないことに気づくかもしれません。

(2) 「病気で得られるもの」を手放す覚悟をする

病気であることで得られるメリット(優しさ、特別扱い、責任の回避)を、少しずつ手放してみることが大切です。

たとえば、

病気を理由にしていたことを、少しだけ「自分の意思」でやってみる

周囲に「病気だから優しくしてほしい」と思うのではなく、「対等な関係」を築いてみる

最初は怖いかもしれませんが、それによって**「病気ではない自分でも大丈夫」**と実感できるようになります。

(3) 完全に治らなくてもいい、と考える

「完治しなければ意味がない」と思うと、治療のモチベーションが下がります。

でも、「少しでも楽になる」「生活が少しずつ良くなる」ことにも価値があるのではないでしょうか?

完璧を求めず、少しずつでも前進していくことが大切です。

まとめ

病気であることを強く意識しすぎるあまり、無意識のうちに治す気持ちを失ってしまう人がいます。

病気であることで得られる「疾病利得」に気づくことが重要

「病気の自分」ではなく、「本来の自分」に目を向ける

病気で得られるメリットを少しずつ手放す覚悟をする

完璧に治すことを目標にせず、少しずつ良くなればOKと考える

「病気であること」がアイデンティティになってしまうと、治ることが怖くなるものです。「病気の自分」ではなく、「本当の自分」を取り戻せるといいですね。

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