「寛解(かんかい)」という言葉、聞いたことはありますか?
精神科に通っている人の中には、「精神疾患は完治ではなく寛解という言葉を使う」と聞いたことがある人も多いと思います。
この言葉、なんとなく精神疾患だけで使われる専門用語のように感じるかもしれませんが、実はさまざまな病気で普通に使われる医療用語なのです。
寛解とは「治ってはいないけど、落ち着いている状態」
まず「寛解」の意味を簡単に言うと、病気の症状が目立たなくなって、普段の生活が送れるくらいに落ち着いている状態
です。
たとえば、がんや膠原病(こうげんびょう)、喘息、潰瘍性大腸炎、リウマチなどでも「寛解」という言葉はよく使われています。医師や医療関係者の間では、精神疾患に限らず「完治はしていないけれども、病状がコントロールできている」状態を示す言葉としてごく一般的なのです。
「治る」と「寛解」はどう違うの?
「治る」とは、病気の原因が完全になくなったり、再発のリスクがほとんどない状態を指します。
一方「寛解」は、「治ったとは言いきれないけれど、問題なく生活できるほど落ち着いている」状態です。
たとえば…
• がんの場合:「がん細胞が一時的に見えなくなった」=寛解。数年たっても再発しなければ「治癒」と判断されることがあります。
• うつ病や統合失調症の場合:「症状がなくなった、または日常生活に支障がない程度になった」=寛解。薬をやめても再発しない状態が続けば「回復した」とされることもあります。
精神科では、「完治」という言葉は慎重に扱われます。なぜなら、再発のリスクがある病気も多いからです。でもそれは精神疾患に限ったことではありません。
「寛解=治らない」ではありません
「寛解」という言葉は「治らないってこと?」と思ってしまう人がいるかもしれません。
でも実は、それはちょっとした誤解です。
「治っていない」ではなく「落ち着いている」。
「完治していない」けれど「治療の成果が出ている」という前向きな言葉なのです。
たとえば、がんでも「寛解」が使われます。
がんが見えなくなって、何年も再発していなければ「治癒した」とされることもあります。
精神疾患でも、長期間安定していれば薬をやめたり、通院を終えることもあります。
つまり、「寛解」は“治らないというあきらめの言葉”ではなく、“今はうまくいっている”というポジティブな状態を表す言葉なのです。
どうして「完治」と言わないの?
精神疾患の場合、ストレスや環境の変化で再発するリスクがあるため、医療の現場では慎重に「完治」という言葉を避け、「寛解」を使うことが多いです。
さらに精神疾患の場合は、治ったかどうかの判断がとても難しい。本人にも医者にもはっきり治ったかどうかがわからないのです。
それは、客観的な目で見てわかる病気かどうかの基準がないせいでもあります。
つまり、「寛解だから治っていない」というよりも、「寛解」と表現することで、今の安定した状態を丁寧に表しているだけなんですね。
寛解は前向きな一歩
「寛解=完治していない」=「治らない」
ではありません。
「寛解=今の状態はとても安定していて、日常生活もちゃんと送れる」
という、むしろ希望のある状態です。
寛解を目指すことは、精神疾患に限らず、たくさんの病気で共通する「治療のゴール」でもあります。
だから、「寛解だから一生病気」と思い込む必要はありません。
そこから薬を減らしたり、通院を終えたり、さらなる回復を目指す人もいます。
まとめ:寛解は、前向きな言葉です
「寛解」という言葉は、決してネガティブな意味ではありません。
「治っていないから不幸」でも「治らないから終わり」でもありません。
精神疾患に限らず、いろんな病気で頑張っている人にとって希望のある言葉なのです。
もし、「寛解って精神科の特別な言葉なんでしょ?」と思っていたら、
それはちょっとした誤解です。
寛解は、あらゆる病気と付き合う上で大切な“現在地”を表す言葉なんですね。
まとめ:寛解という言葉を使うのは
寛解という言葉を使う理由には、治ったかどうかの判断が難しいからということがあります。
判断が難しいだけで治らないわけではありません。
寛解という言葉を使うのは治らないからだという誤解はしないようにお願いします。

