【精神科の基礎知識】うつ病と適応障害は併発しないって本当?

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うつ病

「うつ病と適応障害って、両方同時になることはないの?」

精神科に通うとき、あるいは自分や家族が診断を受けたときに、「うつ病」と「適応障害」の両方の名前を聞くことがあります。でも、実はこの2つの病気は併発しない(同時に診断されることはない)とされているのです。

この記事では、その理由を、専門用語をなるべく使わずにわかりやすく解説します。

■ うつ病と適応障害は“別の診断基準”で決まる

まず大事なのは、「うつ病」と「適応障害」は、それぞれに診断基準(診断のルール)があるということです。

■ 適応障害とは?

適応障害は、「あるストレスが原因で、心のバランスを崩してしまった状態」です。

例えば:

• 異動や転職でのストレス

• 家族とのトラブル

• 学校でのいじめ

こうした原因がはっきりしていて、その出来事に“うまく適応できない”ことで、気分が落ち込んだり、不安になったり、体調が悪くなったりします。

ただし、原因が取り除かれれば、徐々に良くなっていくのが適応障害の特徴です。

■ うつ病とは?

うつ病は、「脳の働きに不調が起こって、気分が落ち込み、意欲や楽しみを感じる力が失われる病気」です。

特徴的なのは:

• 特定のストレスがなくても起きる

• 原因が解決しても症状が続く

• 症状が深くて日常生活に大きな支障が出る

つまり、「何が原因か」ははっきりしない場合も多いのが、うつ病です。

■ なぜ「併発しない」のか?

理由はとてもシンプルです。

● 診断のルールに「除外規定」がある

たとえば、適応障害の診断基準には、

「この症状が、うつ病の基準を満たすほど重い場合には、適応障害とは診断しない」

と書かれています。

つまり、「うつ病に当てはまるなら、そちらを優先する」ということです。

逆も同じです。うつ病の診断をしたら、「これはストレスによる軽い反応では?」と考えても、うつ病の基準に当てはまっていれば、うつ病と診断されます。

■ どっちの診断になるのか迷うことはある

実際の診療現場では、「うつっぽいけど、まだうつ病とまでは言えないかな?」というときに、まずは適応障害と診断することもあります。

そして、症状が悪化してきたら、うつ病に診断が変わる、ということも珍しくありません。

そのため、途中で診断名が変わることはあっても、同時に両方の病名がつくことはないのです。

■ まとめ

• うつ病と適応障害は、似ているところもあるけれど、診断基準が違う

• 両方の診断が同時につくことはなく、どちらか一方になる

• 症状が軽ければ適応障害、重ければうつ病と診断される

• 実際の経過で、診断が変わることはある

■ 最後に

「うつ病」「適応障害」と言われると、不安になってしまうかもしれません。でも、診断名はあくまで「状態を説明するためのラベル」です。

診断名にとらわれすぎず、今のつらさを少しでも軽くする方法を見つけていきましょう。

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