心因は詐病と誤解されることがあるのか

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心因性

「心因」と「詐病」は似て非なるものですが、誤解されやすく、精神科や心療内科の現場でも問題になることがあります。それぞれの意味と関係を考えてみます。

■ 心因とは

心因(しんいん)とは、精神的・心理的な原因のことを指します。たとえば、ストレス、トラウマ、人間関係のトラブル、過去の体験などが、心や体に症状を引き起こすとき、それは「心因による症状」といいます。

心因による代表的な症状

• 不安や抑うつ

• 過呼吸

• 胃痛や頭痛などの身体症状(身体化障害)

• 解離や失声、けいれんなど(転換症状)

心因による症状は本人の自覚があり、意図的ではなく、実際に苦痛を感じている点が特徴です。

■ 詐病とは

詐病(さびょう)とは、実際には病気ではないにもかかわらず、意図的に病気のふりをすることです。目的としては、労働の免除、保険金、兵役逃れ、刑罰の回避などがあります。

詐病の特徴:

意図的・作為的

• 目的がある(=報酬目的)

• 症状は演技で、実際には苦痛がない

■ 心因と詐病の関係・混同されやすい点

心因性の症状は外見からはわかりにくく、身体検査で異常が出ないことが多いため、「詐病では?」と疑われやすい

• 一方で、詐病も同じように「症状がある」と主張するため、外から見ただけでは両者の区別が難しい

• 精神科では、症状が意図的かどうか(作為か不作為か)が非常に重要になります。

■ 関連概念:「作為症(虚偽性障害)」

心因と詐病の中間のようなものに、「作為症(さくいしょう)」というものがあります。これは、明確な外的報酬を求めずに、病気のふりをする精神疾患です。たとえば、同情を得たい、注目されたいといった内的な動機によって、意図的に症状を作り出すのが特徴です。

■ まとめ

種類意図的か実際に症状があるか動機
心因性×無意識の心の葛藤など
詐病×(演技)外的報酬(免除、金銭など)
作為症×または〇(誘発)内的報酬(注目、同情など)

もし精神科を受診する人が「本当に困っている」のに「詐病」と誤解された場合、それは大きな心理的ダメージになります。詐病を見抜くことも重要ですが、実際の診療の現場では基本的に、本物か詐病かの2択で見られる事はなく、本当にその症状が存在しているという前提で話が進む事がほとんどです。医者に詐病だと思われているのではないかと心配する必要は基本的にはありません。

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